とぼ餅：北陸の伝統が息づく素朴な味わい

とぼ餅は、北陸地方で古くから親しまれている伝統的なお餅です。その独特な形状と風味は、地域の風土と文化が育んだものとして、多くの人々に愛されています。

とぼ餅の由来と特徴

「とぼ餅」の名称は、昔、米などの穀物を計量する際に使用された「斗棒（とぼ）」という棒に由来しています。この斗棒に形が似ていることから、「とぼ餅」と呼ばれるようになりました。棒状に成形されたお餅で、豆や昆布などを練り込んだものが一般的です。

とぼ餅は、北陸地方の家庭で寒い冬に作られ、食べられてきました。自家栽培のもち米を使用し、昔ながらの杵つきで作られるため、コシが強く、なめらかな舌触りが特徴です。例えば、福井県の「福井ふるさと茶屋杵と臼」では、自家栽培の「タンチョウもち米」を使用し、大豆や昆布を練り込んだとぼ餅を手作りしています。

とぼ餅は、練り込む素材によってさまざまな味わいが楽しめます。白餅、よもぎ、きび、あわ、黒豆など、多彩なバリエーションがあり、一度にいろいろな味を楽しめるアソートタイプも人気です。石川県の「六星」では、5種類の杵つき餅をミックスした「斗棒餅ミックス（10枚入）」が販売されています。

とぼ餅は、軽く塩味がついているため、焼いてそのままでも美味しくいただけます。オーブントースターで約4〜6分程度焼くと、外はカリッと、中はもちもちとした食感が楽しめます。また、好みに合わせて醤油や砂糖醤油、きな粉などをつけても美味しくいただけます。

とぼ餅は、直射日光や高温多湿を避け、涼しい場所で保存することが大切です。開封後は冷蔵で保存し、なるべく早めにお召し上がりください。冷凍保存も可能で、長期保存したい場合は冷凍庫での保管をおすすめします。

とぼ餅は、北陸地方の風土と文化が育んだ伝統的なお餅です。素朴でありながら深い味わいは、一度食べると忘れられない美味しさです。ぜひ一度、とぼ餅を味わってみて、その魅力を感じてください。